『海の上のピアニスト』北翔海莉さん記者会見

昨年12月東京で上演された『海の上のピアニスト』。豪華客船の中で一生を過ごした
ピアニスト、ダニー・ブードマン・T・D・レモン・ノヴェチェントの生涯を描いた舞台が待望の再演となりました。
公演を前に北翔海莉さんによる記者会見の模様を少しだけリポートします。

 

― 再演と聞いていかがですか?

東京公演の時、再演希望のアンケートやお声がとても多かったんです。こんなに反響が多いのもなかなかなくて。
お客様のお声で実現した公演ですので本当にありがたいと思います。

― この作品はちょっと他では見られない変わったスタイルですね。

舞台の登場人物は3人しかいないんです。
私と大井健さん(鍵盤男子)は主人公のノヴェチェントを演じるのですが、
大井さんがピアニストとして演奏し、私が役を演じます。
中村匡宏さん(鍵盤男子)は親友のトランペッターをはじめその他の役を朗読で演じます。
1人の役をダブルキャスト、トリプルキャストというのはよくありますが、
舞台上に同じ役の人が2人いるというのは私も演じたことがなかったので想像もつきませんでした。
ですから、ご覧になられた方は、あまり観たことのないお芝居という印象を受けられると思います。
でも、観た後になんともいえない不思議な気持ちになる良いお芝居なんです。

― 鍵盤男子による曲と演奏も素晴らしいですね。

今作のために中村匡宏さんがノヴェチェントの気持ちを台本からよみとり、
心情を表わす曲、BGMなど全曲作曲されました。その曲が本当に素晴らしいんです。
そして大井健さんがオープニングからひたすらピアノを弾き続けるのですが、その存在感もすごいんです。
この曲と演奏に魂を浄化する作用があるのか、聴くと気持ちがすっきりするようで、
東京公演では、ご覧になられたお客様が大号泣されるんです。
そして中毒性があって、また、あの音楽が聴きたいとロスになりそうなぐらい!
ですから私自身もまたあの世界に入れるのが嬉しいです。

― 鍵盤男子の対決も見ものですね。

舞台中でジャズのピアニストとの対決シーンがありますが、今回は本物のピアニスト同士の対決になるので、
そこが見せ場になるのではないかなと思います。
いつも鍵盤男子の演奏はマジックショーを観ているようなすごいパフォーマンスをさるので、とても面白いと思いますよ。

― 船のお話ですが、セットはどのような感じなのですか?

デッキにピアノがあり、まわりが海という設定です。揺れたり、静かな朝を迎えたり、いろいろな場面が出てきますので、
豪華客船で共に船旅をしているような感覚で舞台を観ていただけるのではないかなと思います。

― 演じられてみて、ノヴェチェントという男性はどのような人に感じられましたか?

船の中で生まれ、陸に一度も降りたことがなく、世の中の荒波のようなものにあったことが無い人物ですので、
人に対する感情が非常に純粋なんです。そして永遠に行き止まりというものがない陸上の世界への憧れと、
そこへ行った時に自分がどの方向に進んでいけばよいのか分からないという恐怖心との葛藤があって、
最初、表現するのが難しいのではないかと思ったんです。
ですが、お芝居をしていくうちに私も宝塚歌劇団に20年間いましたので、ある意味そこは同じだったかなと。
本当に一つの枠の中で守られてやってきたので、外への憧れと未知の世界への恐れという部分において
共感できるヒントが自分の中にも沢山ありました。

― この作品は映画が最初でしたね。ご覧になられて参考になされたところは?

上流階級の人々が過ごす豪華客船の中で育った人なので、「品の良さ」を一番にキャッチしました。
それにどんなに船が荒波で揺れようが、お客さんが騒ごうが、一人優雅に歩いているのが印象的でした。
ノヴェチェントは最後、船で亡くなるまで子供の魂、精神を持った人。
大人になりきれないのではなく、無邪気で、いろいろなものへの好奇心を持っている人物。
ですから映画や舞台を観て浄化されるような気持ちになるのではないかなと思いました。
この作品をもう一度、上演できるのは幸せですね。

 

北翔海莉さんがご出演される
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