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共同利用・共同研究拠点2023年度テーマ研究Ⅱ 2023年度テーマ研究Ⅱ|
次世代舞台音響 『イマーシブオーディオ』 の可能性について

劇場に於ける音響表現の手法は、ステレオ再生から様々な空間音響技術へと、文字通りパラダイムシフトの過程にある。コンサートやミュージカル、演劇に於ける舞台音響では、観客が全方位からの音を聞くことができるイマーシブオーディオ(以下IAと記載)など、最先端の音響技術は日々進化を遂げている。
海外、特に北米では、ミュージカルやオペラでIAを使用した公演が散見されるが、日本国内では、将来的には舞台芸術分野における音響の必須アイテムになることは確実とされながらも、まだまだその実例が少ないのが現状である。
本研究は、既に米国で実際的にIAを導入している音響専門家の体験的所見を参考にしながら、春秋座においてミュージカル公演や演劇公演などの音源を使用し、現在多くのメーカーや研究機関が開発しているIA用のオーディオプロセッサーやソフトウェアーの中から、研究代表者および研究分担者が特定の機種を試聴し、それらの表現力の特性や特徴を調査、研究する。
また、まだあまり一般的ではないこの次世代の音響システムを、研究協力者をはじめとする多くのプロの音響家が体験、試聴することで舞台芸術作品への実用化の可能性を模索する。
今回の研究会では、FLUX::社製Spat Revolutionを使用し、実験会を催行する。

【研究メンバー】
大久保歩(研究代表者/舞台音響家、京都芸術大学、舞台芸術学科舞台デザインコース 教授)
クリストファー・プラマー Chiristopher Plummer(基調講演ゲストスピーカー/音響デザイナー、システムエンジニア/ミシガン工科大学 美術・舞台芸術学部 教授)
橋本敏邦(研究分担者/舞台音響家、(有)T-spec(ティースペック)代表取締役、イマーシブオーディオの第一人者)
石丸耕一(協力者/ 公財)東京都歴史文化財団(東京芸術劇場) )
押谷征仁(協力者/滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 舞台技術部)
金子彰宏(協力者/兵庫県立芸術文化センター、日本音響家協会西日本支部支部長)
土肥昌史(協力者/ロームシアター京都、日本舞台音響家協会 研修育成委員長)
原 英夫(協力者/京都芸術大学舞台芸術学科客員教授、劇団四季)
半澤公一(協力者/有限会社イノベーション、舞台音響家、PROSOUND誌執筆者)
山口 哲(協力者/(株)メディア・インテグレーション ソフト販売者)

 

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2023年3月に行われた、小スペース(ライブハウス風)に於けるイマーシブオーディオ試聴会。
舞台前上空に、5セットのラインアレイスピーカーが見える。
この形が、イマーシブオーディオのスピーカーの吊り方の基本形。

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