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【インバル・ピント『リビング・ルーム』】振付家・ダンサー 山田せつ子さんによる公演レポート到着!

公演・イベント

世田谷パブリックシアター(東京)での上演を好評のうちに終えたインバル・ピント『リビングルーム』。今週末5/26(金)・27(土)はいよいよ春秋座での上演です!
東京での上演をご覧になった振付家・ダンサーの山田せつ子 さんより、公演レポートが到着しました!

観ました!リビングルーム!
これから観る方に伝えていいのかなと思いつつ、やっぱり具体的な事を書いてしまいます。壁は甘い赤色で、植物のようにも抽象画のようにも見える世界が描かれている。その壁に囲まれる広くはないリビング。机と椅子、戸棚、おしゃれなブラケットライトがある。一人の女性、というか女子が、まるで自分のからだのありかを確認するような動きを繰り返していく。それも、自分が確認したいというより、あたかもからだに命令されているように動く。バラバラにされた身振りが空間に撒き散らされていくが、一見ありがちなダンスにならないのは、ダンスのムーブメントが常に踊り手に返っていくからだろう。踊り手は自分のからだに返ってくる動きと対話しているように見える。だから、観ている私は、あ、知っている、とか、あ、わかる、とか、呟きながら同行する。
中盤からもう一人ダンサーが登場する。この入道みたいなダンサーが素敵だ。
動きの行先が、この世で迷子になった人のように彷徨いながら、柔らかく、そして強靭に彼女をデユオに招く。ファンタジーのようでファンタジーでない。インバル・ピントはいつも鋭い批評性の中に暖かくチャーミングなユーモアがある。問題意識が暴力にならない、そうした際どいバランスの上にある作品に今回も会えた。
さて、二人のデユオの行き先は。そこからがまた魅力的でした。


5/26(金)・27(土)ともに残席わずかとなっております。
シュールで繊細、かつ独創的なインバルの世界観を、どうぞお見逃しなく。

公演詳細・チケット購入https://k-pac.org/events/9626/