劇場スタッフ・レポート2023『春風亭一之輔×桂二葉 二人会』
_
春秋座の赤い提灯が灯る中、寄席太鼓の音で開場し、まずは前座である桂源太さんの『子ほめ』から。源太さんの爽やな口跡で場が温まったところで、春風亭一之輔さんの登場です。
小気味好い枕に会場の集中度は一気にアップ。爆笑の連発で、中には笑いが止まらなくなったお客さんも。落語は、仲のよい隠居から金を借りておいてと気の強い女房い言われる間抜けな亭主が主人公の『加賀の千代』。
続いて見台・膝隠しが置かれると、ピンク色の着物をまとった桂二葉さんの登場です。昔から一之輔さんのファンで、今でも毎晩、一之輔さんの落語を聞いているという二葉さん。「兄さんは落語が上手いし、優しいし、カッコイイんですよね。(落語は)勝ち負けじゃないけれど、今日は勝つ気でいきます!」と意気込みます。そんな二葉さんが選んだ落語は骨董屋を舞台とした『金明竹』。
仲入りをはさんだ後は、再び二葉さんが登場し『幽霊の辻』。続いて春風亭一之輔さんが『笠碁』を披露しました。
二席終わったところで、二人のトークタイムです。「お兄さんがダラ~んとしゃべるのがカッコイイなと思って」と二葉さんが言えば、「昔はフルスロットで声を張って噺ていたんだけれど、だんだん変わってくるんですねえ。二葉さんは落語、ほんとに上手いよね。愛嬌があっても上手くないとダメだよね。(二葉さんには)その二つがあるから要所、要所が立ってくるんですよね」と評価。
そして来年の公演が決定したことが舞台上で発表されました。二葉さんが「来年までにもっと上手くなっていたいなあ。お兄さんは(こんなにも面白いんだから)もうこれ以上、伸びしろないんじゃないですか?」と言えば、「俺は今日、伸びしろを家に置いてきたんだよっ!」という掛け合いが面白く、来年はどのような高座を見せてくださるのか、楽しみになりました。
ご来場くださった皆様、誠にありがとうございました。