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© Marc Domage
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KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2024 クリスチャン・リゾー
D’après une histoire vraie―本当にあった話から

半袖のシャツとデニムパンツ、裸足。薄暗い舞台にあらわれた8人の男たちは、静かなユニゾンから踊りをはじめる。ほどなくして2人のドラマーが彼らに合流する。ダンサーは、ふたりで、あるいは群れで同期しあい、かと思えば、ふと群れから外れたひとりにもなる。合流と離散、反復と展開は目まぐるしくも緊密に組み立てられていて、ひとときも目を離す隙がない。そして、端正な構成の中にありながら、彼らの身体はふつふつと熱を帯び、興奮が脈打ち——。
クリスチャン・リゾーは、舞台芸術のみならず、造形美術、音楽、ファッションなど幅広い分野に通じ、マルチな才能を発揮してヨーロッパのアートシーンを牽引してきた。現在はICI-CCN(モンペリエ国立振付センター)を芸術監督として指揮する、ヨーロッパのコンテンポラリーダンス界の重鎮だ。
2013年にアヴィニョン演劇祭で初演された本作の原点は、そのまた更に10年ほど前、リゾーがイスタンブールで男性の踊り手たちによるダンスを目撃し、鮮烈な印象を抱いたことに遡る。あるダンスが、時を隔てて別のダンスの誕生を促していく。連綿と続いてきたダンスという営みの一瞬間を、わたしたちも目撃する。

コンセプト・振付・舞台美術・衣裳デザイン:クリスチャン・リゾー
出演:ユネス・アブラクル/ファビアン・アルマキエヴィッチ/ヤイル・バレリ/マッシモ・フスコ/ペップ・ガリゲス/ケレム・ゲレベック/フィリペ・ロウレンソ/ロベルト・マルティネス 演奏:ディディエ・アンバクト&キングQ4(ドラム)
音楽:ディディエ・アンバクト&キングQ4
照明:キャティ・オリーブ

助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(国際芸術交流))|独立行政法人日本芸術文化振興会、笹川日仏財団
協力:EU・ジャパンフェスト日本委員会 後援:在日フランス大使館
主催:KYOTO EXPERIMENT、 ダンス リフレクションズ by ヴァン クリーフ & アーペル、京都芸術大学 舞台芸術研究センター
※本公演は、京都と埼玉で開催するダンス リフレクションズ by ヴァン クリーフ&アーペル フェスティバルの一環として上演いたします。

 

KYOTO EXPERIMENT ウェブサイト
https://kyoto-ex.jp/ 

*KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2024は、10.5 Sat. – 10.27 Sun.に開催

© Marc Domage

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舞台評

― 伝統的な民族舞踊の所作、動作の裡に新たなダンスへの萌芽を掴み取り、生き生きとした動きが舞台を埋め尽くしてゆく。それはあたかもひとつのミュニティが生成される過程を見ているようである
(ル・モンド紙/2013年)

― 結局のところ、この“群れをなす男たち”のダンスには稀に見る優しさがある。互いに手を取り合い子供のように無邪気に想像上のトライバルなダンスを踊るのだ
(レゼコー/2013年)

― 『D’après une histoire vraie』は間違いなくクリスチャン・リゾーの傑作である。 2013年のアヴィニヨン・フェスティバルでの初演から、世界中の都市でツアーを続け大成功を収めている。本作で振付家は、わたしたち人間のDNAに共通に刻まれた、肉体の奥底から湧き出る身振りの根幹に踏み込んだ
(テレラマ誌/2017年)

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ワークショップ情報
空間認識と他者の身体に焦点を当てながら、共生するダンスにおけるグループ即興を探求するワークショップ。
日時:10月13日(日) 10:00-12:00
会場:京都芸術劇場 春秋座
対象:何らかのトレーニングを受けているダンサーやパフォーマー、ダンスを学ぶ学生
ファシリテーター:クリスチャン・リゾー
料金:1,000円
予約:下記予約フォームより申込(定員20名・先着順)
https://ssl.form-mailer.jp/fms/d520abd0829210 ※その他の詳細や予約フォームは8/2(金)にオープン、8/9(金)より受付開始
※フランス語・日本語逐次通訳有


クリスチャン・リゾー Christian Rizzo
モンペリエ(フランス)

造形美術家、デザイナー、ミュージシャン、振付家、舞台美術家、オペラの演出家などマルチな才能を持つアーティスト。クリスチャン・リゾーはロックバンドを結成し、ファッションブランドを立ち上げるなど、トゥールーズでアーティストとしてキャリアをスタート。その後、ニースのヴィラ・アルソン国立高等芸術学校でビジュアル・アートを学ぶ。1996年にアソシアシオン・フラジルを設立し、オペラ、ファッション、ビジュアル・アートなどのプロジェクトとともにパフォーマンスやダンスなど40 以上の作品を発表。フランス国内外の美術・ダンス専門教育機関で教鞭をとる。2015年より国際振付研究所(ICI)の芸術監督を務める。抽象性からフィクションが生まれる物語において、身体と空間における柔軟性と緊張関係を表現すべく探求している。

©Denise Oliver Fierro