京都芸術大学共同利用・共同研究拠点 2024年度 リサーチ支援型プロジェクト 『支配的なイデオロギーへの対抗の場としての身体:ジェンダー・セクシュアリティの視点からの新たな文法創出 』の関連企画として、写真研究者の小林美香氏をゲスト講師としてお招きしレクチャーとトークイベントを開催します。
一部:「『 ジェンダー目線の広告観察 』 レクチャー」
私たちの生活の至る所に出没する広告、当たり前に目の前にあるが故にそこから発せられているメッセージを立ち止まって考えることはあまりないかと思います。しかし広告は様々な構成要素を駆使して働きかけ消費行動を促すだけではなく、私たちの価値観や思考のプロセスにまで影響を及ぼす力を持っているように感じます。
「陶器のように純白でツルツルな肌が手に入れば幸せになれて、幸せなあなたが円安の時代を生き抜くためには英会話ができないといけない。それに写真に映り込んだ不要なものはこのアプリで排除できるし、これは医療脱毛してくれる○○歳のあなたのための広告です…。」
広告は自己嫌悪的な欲望を資本にした経済の循環システムの一部に私たちの身体を取り込み、規範を生み出していく…。どうしたらその力と対峙することができるのか?第一部では、レクチャーを通してその答えを探します。
二部:「『ジェンダー・クィア』ってどんな本?」
第二部では小林美香さんが発起人となってこの夏にサウザンブックスから出版された、コミック作家 マイア・コベイブさんのグラフィックノベル『ジェンダー・クィア』について、写真家の堀井ヒロツグさんと、この企画の母体のリサーチの研究代表で演出家の山崎恭子が、出版の経緯、また本の魅力などを根掘り葉掘り伺うトークイベントを行います。
クィア、ノンバイナリーのコミック作家マイア・コベイブの自叙伝。自身の生い立ち。幼少期から思春期で過ごした環境、そして、青年期にかけてクィアをテーマにした音楽や漫画、ファンタジー作品と出会い、自身の性のあり方に向き合い出すことで、生まれた、気づき、葛藤、戸惑いを丁寧に描く。ひとりの人間の、ありのままの記録。
◾ゲスト講師プロフィール
小林美香
写真・ジェンダー表現研究。大学や各種学校で教鞭をとるほかに、国内外の雑誌などへの寄稿や編集、翻訳などを手がける。
展覧会、ワークショップの企画や、写真で制作活動を行う人を対象としてコンサルティングを手がけている。著書に『ジェンダー目線の広告観察』(現代書館、2023年)、「ジェンダークィア」(サウザンブックス 2024)などがある。
■トーク:聞きてプロフィール
堀井ヒロツグ
写真家。静岡県生まれ。早稲田大学芸術学校空間映像科写真専攻卒業。
最近の主な展覧会に「都美セレクション2023」東京都美術館(2023)。2013年に東川町国際写真祭ポートフォリオオーディションでグランプリ、2021年にIMA nextでショートリスト(J・ポール・ゲティ美術館キュレーター:アマンダ・マドックス選 )を受賞。
山崎恭子
演出家。長野県生まれ。京都芸術大学 大学院修士課程修了。
主な作品は、『不快なものに触れる』豊岡演劇祭2021 フリンジプログラム採択 @江原河畔劇場、THEATRE E9 KYOTO×京都舞台芸術協会×DIVE ショーケース企画 「Continue2022」、豊岡演劇祭 2022 フリンジ「Showcase」採択 @芸術文化観光専門職大学 小劇場・そぞろ座。『ふるえる』YPAM 2021 フリンジプログラム @三鷹SCOOL 助成:公益財団法人全国税理士共栄会文化財団 。京都芸術大学共同利用・共同研究拠点 2024年度 リサーチ支援型プロジェクト 研究代表。
日時 |
2024年8月24日(土)
13:30 – 15:30《 一部:レクチャー 》
17:00 – 18:30《 二部:トーク 》
会場|
PURPLE ブックスペース
(〒604-8261 京都市中京区式阿弥町122-1 式阿弥町ビル 3階 ブックスペース)
定員|
《 一部:レクチャー 》14名
《 二部:トーク 》30名
*当日はご来廊された一般のお客様がブックショップや展示スペースを利用する可能性があります。あらかじめご了承ください。
応募方法 |
下記URLより申込ください。
https://lectureandtalkevent.peatix.com
*一部と二部は別々でのご予約になります。
参加費 |無料
問い合わせ |irusu.kyoto@gmail.com
主催 |京都芸術大学舞台芸術研究センター 舞台芸術作品の創造・受容のための領域横断的・実践的研究拠点 2024年度「支配的なイデオロギーへの対抗の場としての身体 : ジェンダー・セクシャリティの視点からの新たな文法創出」研究代表 山崎恭子
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◾リサーチプロジェクト概要
本プロジェクトは、二項対立が生み出す「抑圧」と「不可視化」の問題をジェンダー・セクシュアリティの視点から探る。また“ミソジニー”をキーワードに置き、ジェンダー・セクシュアリティに関わる表現のあり方を調査することで、我々を取り囲む支配的なイデオロギーが要請する行動規範に光を当て、それに対抗する新たな文法を生み出すことを目的とする。
https://k-pac.org/openlab/12418/