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  2. 公開連続講座 日本芸能史 (小橋弘之)

受講生の声①

小橋弘之さん(元・日本経済新聞社記者) 

人間国宝の裏話なども聞けるのが魅力だと思います      


― 小橋さんはごく初期のころから通っていただいていますが、この講座をどうやってお知りになったのでしょうか。

最初は仕事で知ったのですが、人間国宝の方や新進気鋭の演者の実演やお話が聞けるということに魅力を感じて受講することにしました。仕事柄、人間国宝の方にお話しを伺う機会はありましたが、こんなに素晴らしい顔ぶれの方々にお目にかかるのは、なかなか大変なことですよね(笑)。
また、裏話なども聞けるのが魅力だと思います。

 

― 印象に残った講義にどのようなものがありますか?

最近ですと狂言の野村万作さんですね。あのお年で、あの身体のキレは素晴らしいですね。お話では武智鉄二さんのことなどにも触れられ、とても貴重な時間でした。

また、狂言の茂山忠三郎さんは、装束について、旅先で見た箸置きにヒントを得てデザインをしたというお話をされていて面白いなと思いました。装束を選ばれる時、春夏秋冬を大事にされるとは思っていましたが、小物との合わせ方まで伺ったことがなかったので面白かったですね。仕事で伺うのとは違う、こちらが気付かない観点でのお話が伺えるのがいいですよね。


 狂言 講師:茂山忠三郎 2021年12月6日

 

それから女流義太夫の鶴澤津賀寿さんの口伝の話。師匠から教わったことを披露される方は少ないですし、本当に珍しい機会でした。あと、附け打や相撲の講義は意表をつかれましたね(笑)。

私は仕事をしている時、プロとアマの違いってなんだろうということを考えたことがあるんです。浄瑠璃だって昔は素人の中に上手い方が随分とおられましたからね。そんなとき、落語の桂吉坊さんがプロとアマの違いをお話しされまして、「プロより上手い素人はいる。何がプロかというと、これしかないというところを背負っているところだ」と。なかなかあのようにちゃんとおっしゃる方もおられないですよね。毎年、出ておられる壬生狂言の保存会の方たちも壬生狂言でご飯を食べてはいないですが、その意味でいうとプロですよね。あの歴史を町で支えているのをみると、だから続くのだと感じます。

 

- 授業を受けられた後で講師の舞台に行かれた時、舞台の印象や観方など変わりましたか?

最近では、上方舞の山村友五郎さんや、狂言の茂山忠三郎さんの会を観に行きました。やはり茂山忠三郎さんの舞台では装束の図柄を注目するようになりましたし、新たに鑑賞のポイントも増えますね。

 

- 今後のご要望があればお願します。

正直、はじめははこんなに長く続くなんて思っていなかったんです(笑)。
いつかマンネリ感がどこかでくるのではないかという気がしたのですが。とはいえ、たとえば野村万作さんの芸の紹介は一回ではできないわけですから。それだけ登壇される方の奥深さがあるということですよね。

卒業生で演出家の杉原邦生さんや木ノ下歌舞伎の木ノ下裕一さんも出られておりますが、最近の小劇場系など現代のお話も聞きたいなと思います。

 

 

 

受講生の声②
斉藤綾子さん
(ダンサー) 
本を読むよりここでお話を聞く方が
ずっと気が付くことが多いですね。

木ノ下裕一さん(木ノ下歌舞伎主宰・本学卒業生)が「学生時代にこんな講座があったんだよ」とおっしゃっていて、てっきり…… もっと見る