1. HOME
  2. 公演情報
  3. 「猿翁アーカイブにみる三代目市川猿之助の世界」第二回フォーラム

「猿翁アーカイブにみる三代目市川猿之助の世界」第二回フォーラム 映像で振り返る復活狂言『獨道中五十三驛(ひとりたびごじゅうさんつぎ)』
/三代目猿之助クリエイションの現場

三代目市川猿之助(二代目猿翁)さんから京都造形芸術大学に寄贈いただいた貴重な歌舞伎関係資料をもとに、三代目猿之助の軌跡をたどるフォーラムの 2回目。今回は、2部制でお届けします。第一部は、三代目猿之助が1981年に復活させた鶴屋南北原作『獨道中五十三驛』をテーマに、寄贈資料のなかから デジタル化された映像をご覧いただきます。三代目本人が制定した「猿之助十八番」に名を連ねる本作は、復活初演時に三代目猿之助が18役を演じ、上演時間 が7時間を越えた大スペクタクルです。当代猿之助も挑戦し、昨年春秋座でも上演されました。第二部は、「クリエイションの現場」と題し、三代目猿之助の創作過程をさぐります。どちらもゆかりのゲストをお招きし、三代目猿之助が歌舞伎界、舞踊界に投じた一石、その奮闘について語っていただきます。

企画:田口章子(京都造形芸術大学教授)
映像担当:倉田修次
協力:松竹株式会社、公益社団法人日本俳優協会、株式会社キノシ・オフィス
主催:京都造形芸術大学舞台芸術研究センター

プログラム 
第一部 
【映像で振り返る復活狂言『獨道中五十三驛』】
ゲスト:石川耕士(脚本家)

第二部 
【三代目猿之助クリエイションの現場】
ゲスト:杵屋東成(長唄唄方)、杵屋勝禄(長唄三味線方)
聞き手:田口章子(京都造形芸術大学教授)


三代目市川猿之助(二代目市川猿翁)

1939年(昭和14)生まれ。つねに「時代とともに生きる歌舞伎」をめざし、伝統の継承と創造に全身全霊をかけて走り続けている。「猿翁十種」をはじめとする家の芸の継承はもとより、『義経千本桜』『加賀見山再岩藤』などの古典歌舞伎の再創造、『菊宴月白浪』『競伊勢物語』などの古劇の復活、さらには『ヤマトタケル』や『新・三国志』シリーズなどのスーパー歌舞伎の創造まで、パワフルな活動はみごとな芸術的完成を見せる。現代歌舞伎に多彩で豊穣な成果をもたらしてきた演劇活動の中から「猿之助十八番」のちに「三代猿之助四十八撰」を制定した。歌舞伎にかける熱い思いと革新的な発想は、三代目市川猿之助が育てた弟子たちにも確実に受け継がれている。平成24年6〜7月新橋演舞場において、祖父が名乗った猿翁の名を二代目として襲名し、甥の市川亀治郎に猿之助の名を譲った。
京都造形芸術大学では、平成5年に芸術学部教授、平成12年〜17年副学長に就任。集中講義では学生に歌舞伎の実技実演指導も行なった。同大の春秋座には徳山詳直前理事長とともに劇場の構想・設計から関わる。初代芸術監督として、杮落し公演の『日本振袖始』はじめ、数々の舞台を企画し出演した。

<ゲストプロフィール>
石川耕士(いしかわ・こうじ)脚本家・演出家
三代目、四代目の市川猿之助に協力し、いわゆる猿之助歌舞伎全般の脚本・演出を担当。座付作者的存在として歌舞伎界にとっても貴重な存在。
主な作品に、『西太后』、『四天王楓江戸粧』、『華果西遊記』、『四谷怪談忠臣蔵』、『蜘蛛絲梓弦』、『上州土産百両首』、『雪之丞変化』など。平成15年度芸術選奨文部科学大臣新人賞、松尾芸能賞演劇優秀賞、日本演劇興行協会助成賞を受賞。

杵屋東成(きねや・とうせい/二代目)長唄唄方
昭和24年生まれ。三歳頃から父・杵屋勝禄に手ほどきを受ける。昭和43年杵勝会に加入、杵屋禄三の名を許される。平成21年2代目勝三郎の俳号・東成を襲名。三代目市川猿之助の公演で多く立唄をつとめ、三代目猿之助による平成56年10月ヨーロッパ公演や、平成13年5月春秋座杮落し公演(三代目猿之助構成『春秋三番叟』)に出演。平成24年大阪市民表彰(文化功労)。

杵屋勝禄(きねや・かつろく/二代目)長唄三味線方
昭和24年生まれ。三歳頃から父・杵屋勝禄に手ほどきを受ける。昭和43年杵勝会に加入、杵屋禄宣の名を許される。平成21年2代目勝禄を襲名。立三味線として三代目猿之助の舞台を多くつとめ、三代目猿之助による平成56年10月ヨーロッパ公演や、平成13年5月春秋座杮落し公演(三代目猿之助構成『春秋三番叟』)に出演。平成24年大阪市民表彰(文化功労)。

京都造形芸術大学で、二代目猿翁の寄贈資料デジタルアーカイブ化にあたり、2016年度第一回フォーラムや四代目猿之助春秋座公演、本学ホームページで寄附を募った結果、合計3,179,416円のご寄附が集まりました。心より御礼申し上げます。本事業で使用する映像は、寄附金によりデジタル化したものです。現在、寄贈映像全2,464本のうち、387本のデジタル化処理が完了しており、お寄せいただいた寄附金により更なるデジタル化を進めております。