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KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭2014 公式プログラム 地点「光のない。」

想像力の臨界へ
声と光と身体が織りなす峻厳な風景は、終末なのか希望なのか

京都・北白川に自身のアトリエ「アンダースロー」をオープンさせ、定期的に作品を発表している劇団「地点」。独自の公演スタイルやチケットシステムに加え、ローカルからダイレクトに海外を射程に収めたその活動は、劇場・演劇の公共性を問いかける彼らなりの態度表明ともいえる。そんな地点にとって、4回目の参加となるKYOTO EXPERIMENT。これまでは野心的な新作発表の場としてきたが、今年は、フェスティバル/ トーキョー12 で上演され、近年の最高傑作と評された『光のない。』を発表する。
『光のない。』は、オーストリアのノーベル賞作家エルフリーデ・イェリネクが東日本大震災と原発事故を受けて執筆した戯曲。地点は既存のテキストを、「地点語」とも評される特異な発話スタイルを駆使し、独自の解釈で上演してきたが、同時代の戯曲をあつかう機会は多くない。現実以上の現実の出来事に応答したこのテキストに対峙し、演劇の声と死者の声を響き合わせながら、「発話する主体」はどこにあるのか、その境界を鋭く問いかける。さらに、音楽家・三輪眞弘による生身の「音声装置」、建築家・木津潤平の空間構成を得て、音・声と身体が拮抗する圧倒的強度をもった空間が立ち上がる。
希望の光が失われた状況と同時に、啓蒙の「光」が文明を進歩させた果ての光景を示す『光のない。』、人々の想像力を超えた風景が広がっている。

地点「光のない。」合唱隊参加者募集