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葵上/二重の影 能ジャンクション『葵上』(改訂版)
マルチメディア・パフォーマンス『二重の影』(ポール・クローデル作『繻子の靴』より)

「能ジャンクション」は、1980年代後半に、現代演劇と能狂言の「ジャンクション」として発想されたもので、その第一作が湯浅譲二のミュジーク・コンクレートを素材に、渡邊守章がPARCO PART Ⅲの「客席貫通型」舞台で構成・演出をした実験演劇です。故観世榮夫が<本行通り>の『葵上』のシテを舞い、当時まだ20歳になったばかりの野村武司(現萬斎)が、狂言以外の作品に初めて挑戦した舞台でした。言わば「脱構築」的な実験で、湯浅音楽と能の音楽、『源氏物語』の原文と円地文子現代語訳等をコラージュした舞台です。今回は、能のシテを観世銕之丞(3/30)・片山九郎右衛門(3/29)、現代の若者を茂山童司が演じ、「マラルメ・プロジェクト」以来の高谷史郎映像が、春秋座版「能ジャンクション」を出現させます。

『二重の影』は、大使として日本に駐在したことのある二十世紀最大の劇詩人ポール・クローデルの集大成的戯曲『繻子の靴』の一場で、「禁じられた恋」を生きる恋人の激しい情念が、「男女一体の影」としてモロッコの白壁に出現するという、異常な強度に貫かれた「一人語り」です。クローデルがマラルメに学んだ「世界書物」の発想に、中国の「韓憑説話」の語る「引き裂かれて埋葬された恋人たち」の情念が、「根と枝を絡めた二本の木」になるという「不可能な恋の情念」の表象を繋いだものです。白井剛・寺田みさこが、笙の音楽で、高谷映像の繰り広げる宇宙的な夜の空間に「不可能な恋」の情念を踊ります。
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京都造形芸術大学舞台芸術研究センター所長・教授/演出家 渡邊守章

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能ジャンクション『葵上』

出演|観世銕之丞(3/30出演)片山九郎右衛門(3/29出演) 茂山童司
音楽|湯浅譲二『葵の上』ミュジーク・コンクレート(1961年)

マルチメディア・パフォーマンス『二重の影』
ダンス|白井剛 寺田みさこ
語り|茂山童司
笙|東野珠実
朗読|後藤加代 渡邊守章

※両日とも終演後にトークを行います(出演:高谷史郎、浅田彰、渡邊守章)

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構成・台本・演出|渡邊守章
映像・美術|高谷史郎

舞台監督|大鹿展明
演出助手|木ノ下裕一
音楽|原摩利彦
音響|齋藤学
音響設計|鶴林万平(sonihouse)
照明チーフ|岩村原太
メディア・オーサリング|古舘健
映像技術|桜木美幸、竹崎博人
衣裳|清川敦子
制作助手|岩崎小枝子

製作・主催|京都造形芸術大学 舞台芸術研究センター
平成25年度 文化庁 大学を活用した文化芸術推進事業