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企画・監修 渡邊守章 世阿弥生誕六百五十周年記念
観世流宗家観世清和師による『翁』

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2013年は、能の大成者世阿弥の生誕650年記念の年です。12歳のときに、時の将軍足利義満に認められ、父観阿弥の先見の明ある教育方針のもと、「室町文芸復興」とも呼ばれる同時代の先端的な文芸の素養を身につけることが出来た世阿弥。優れた能役者であるばかりではなく、同時代の先進的な能の一座の棟梁であり、能の本の作者としては「複式夢幻能」に代表される、「幽玄な」、つまり優美艶麗な「詩劇」を完成させ、詩と音楽(器楽と謡い)と舞とが一体となる世界に類例を見ない高度な舞台芸術を完成に導いた世阿弥。彼は同時に優れた理論家でもあって、その「伝書」の研究は、日本の人文諸科学のなかでも、最も優れた成果を挙げてきたものと言えましょう。とはいえ、それで、能が日本人の中で広く共有されているかと言えば、残念ながら現状は違います。京都芸術劇場春秋座が、単なる普及公演ではなく、優れた演者による優れた作品の上演に力を入れてきた理由もそこにあります。
今回は、世阿弥生誕650年記念として、能の「始原的な」姿を留めている『翁』を、観世流宗家の観世清和師に舞って頂き、日本の芸能の始りにあった「祝禱性(しゅくとうせい)」を春秋座の舞台に漲らせて頂きます。「千歳(せんざい)」は観世銕之丞師長男の淳夫君、「三番三(さんばそう)」は茂山七五三師です。
因みに、清和師は、春秋座の「歌舞伎舞台」とその「花道」を活かした『翁』に情熱を燃やしておられ、他所では見られない『翁』が生まれることでしょう。
まさに、本研究センターが研究課題の重要な核としている「越境する伝統」にも相応しい舞台となると、今から期待が高まります。
狂言も、目出度い『末広かり』を、茂山千五郎師率いる茂山家の方々にお願いし、最後は、観世銕之丞師による『高砂 祝言之式 』が、神聖の気を劇場に溢れさせてくださるはずです。
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(舞台芸術研究センター所長・演出家 渡邊守章)

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公演サイトはこちら☞
http://old.k-pac.org/performance/20130524.html

企画・監修:渡邊守章(京都造形芸術大学 舞台芸術研究センター所長)
照明プラン:服部基(ライティングカンパニーあかり組)
照明オペレーター:林悟(ライティングカンパニーあかり組)
舞台監督:小坂部恵次
協力:財団法人観世文庫、銕仙会、茂山狂言会、空中庭園

 

関連プレトーク
『翁』とその起源について

5月24日(金)16:30
会場:ギャルリ・オーブ(京都造形芸術大学内)

ゲスト:天野文雄(大阪大学名誉教授、文化庁関西分室長)
ゲスト:松岡心平(東京大学大学院教授)
司会:渡邊守章

入場無料・要事前予約
お申込み:京都芸術劇場チケットセンター TEL075-791-8240(平日10-17時)