「待ち合わせていた風景を記録する」特設ウェブサイト公開
人が集うという当たり前のことが、当たり前にはできない現在。舞台作品や劇場の在り方に欠かせない一つの場所に「待ち合わせる」こと、その意味や方法について、演劇作家、一般の方々、学生、劇場で働くスタッフも含めて、一緒に考えていく、そんなオンラインワークショップを開催しました。
京都芸術大学舞台芸術研究センターでは、2016年から藤田貴大さんおよびマームとジプシーとの協働作業を、一般参加の地域の方、本学の学生と共に継続して行っており、舞台作品『A-S』(2016年)、『madogiwa』(2019年)をその成果として発表しています。これまでの藤田さんとの協働作業では、参加者一人一人にヒアリングをし、それを素材に舞台でのセリフや動きを立ち上げてきました。
今回もワークショップ参加者には、舞台作品を創造するプロセスの一番最初にあたる作業としてオンラインで藤田さんによるヒアリング作業を体験していただきました。小学生からシニア世代まで幅広い年齢層の参加者から聞き出した待ち合わせのエピソードから、藤田さんがフィクションとして立ち上げたテキスト、そして参加者それぞれの待ち合わせ場所を撮影した写真で構成したものが特設サイト「待ち合わせていた風景を記録する」です。
藤田さんをはじめマームとジプシーの方々、参加者の皆様、そして学生スタッフと劇場スタッフがオンラインで集う、そのこと自体がひとつの「待ち合わせ」でした。制限された環境の中で生まれた小ぶりな作品ですが、モノローグとダイアローグ、そして写真から想起される風景の広がり、つながりをお楽しみください。