2018年度共同研究プロジェクトテーマ研究Ⅱ 「アジアの大学における演劇教育―劇場を活用した舞台教育の方法論的探求」vol.4
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この研究プロジェクトは、京都造形芸術大学舞台芸術学科教授の平井愛子が研究代表を務め、アジアの高等教育機関より指導者を招聘してワークショップとシンポジウムを実施して、日本の高等教育機関に相応しい演劇教育のあり方を研究します。
日本では、大学が主体的に俳優などの演劇実践家の養成を担ってきた歴史はまだ浅いものの、ここ10年間で大学における演劇教育の 位置づけは大きく変容しています。一方、日本以外のアジア各国には、自国の 伝統と欧米の先進的なメソッド融合させた実践的なカリキュラムを確立している大学が数多く存在しています。
そこで本研究プロジェクトでは、2014年よりアジア各国の高等教育機関 より演劇教育の指導者を招聘してワークショップとシンポジウムを実施し、日本の高等教育機関に相応しい演劇教育のあり方を研究しています。
第4回目となる2018年度は、長らくアジアの演劇教育を研究し、その発展に貢献してき たオーストラリア出身の演出家Aubrey Mellor 氏を招聘し、事前に選出された現役学生を対象にした演 技ワークショップを一般公開で行います。また、アジアの現状を踏まえながら国内の共同研究者と共に公開シンポジウムも開催。「アジア で現代的な俳優を育成するための理想的なカリキュラムとは」をテーマにプレゼンテーションとディスカッションを行い、アジアの大学における演劇教育について議論を深めます。
演劇教育に携わる方や俳優を志す方など、多くの方のご参加をお待ちしております!
7月6日(金)
〈シンポジウム〉18:10-20:30
「アジアで現代的な俳優を養成するための理想的カリキュラムとは」
パネリスト:
Aubrey Mellor
永田靖(大阪大学文学研究科教授)
浜畑賢吉(大阪芸術大学舞台芸術学科教授)
内野儀(学習院女子大学国際文化交流学部日本文化学科教授)
モデレーター:
平井愛子(京都造形芸術大学舞台芸術学科教授)
7月7日(土)
〈ワークショップ〉10:00-15:00(昼休憩12:00-13:00)
「俳優としてのキャラクター理解」
講師:Aubrey Mellor
〈懇談会〉15:30-17:00
ワークショップ見学、シンポジウム聴講に参加ご希望の方は、事前のご予約が必要です。
以下のメールまたは、お電話にてお申込ください。
メール:kyoten@kuad.kyoto-art.ac.jp
(名前(フリガナ)、電話番号、参加日時をご明記ください)
電話:075-791-9144 平日10時-17時(担当:竹宮、野澤)
※ワークショップ参加は不可とさせていただきます。見学のみ可能です。
■講師
オブリー・メロー | Aubrey Mellor (ラサール芸術大学上級特別研究員)
オーストラリア出身の演出家、演劇指導者。元オーストラリア国立演劇学院(National Institute of Dramatic Art)学長。オーストラリアの主だった劇団やアジアの演劇フェスティバル等で演出家として活躍。演技指導者としては、メル・ギブソンなど世界的俳優を育てたことで知られている。2007年には、日豪文化大使をつとめるなど、日本文化や日本の舞台芸術にも造詣が深い。
■共同研究者
永田靖|Yasushi NAGATA(大阪大学文学研究科教授)
1957年生まれ。大阪大学文学研究科演劇学教授。上智大学外国語学部ロシア語学科卒、明治大学大学院博士課程演劇学専攻単位取得退学。戦後日本アジア演劇の異文化接触、演劇研究メソドロジー、地域演劇の共創的研究、20世紀ロシア演劇史の研究など。近編著にModernization of Asian Theatres, Rawat, 2018、共著にTransnational Performance, Identity and Mobility in Asia, Palgrave, 2018、『歌舞伎と革命ロシア』編著、森話社、2017、Adapting Chekhov The Text and its Mutations, Routledge, 2013、The Local Meets the Global in Performance, Cambridge SP, 2010他多数。現在、大阪大学副学長、大阪大学総合学術博物館長、IFTR国際演劇学会Asian Theatre Working Group代表、日本演劇学会会長。
浜畑賢吉|Kenkichi HAMAHATA(大阪芸術大学舞台芸術学科教授)
俳優座養成所を経て、1966年劇団四季入団、1995年まで所属。「カラマーゾフの兄弟」「ハムレット」「汚れた手」などの他、「コーラスライン」「キャッツ」マイフェアレディ」「ジキルとハイド」などのミュージカルにも出演。
テレビドラマ「進め青春「男は度胸」「紫頭巾」など。2004年から大阪芸術大学教授。2005年より舞台芸術学科長。
内野儀|Tadashi UCHINO(学習院女子大学国際文化交流学部日本文化学科教授)
1957年京都生れ。東京大学大学院修士課程修了(米文学)。博士(学術)。岡山大学講師、明治大学助教授、東京大学教授を経て、2017年4月より学習院女子大学教授。専門は表象文化論(日米現代演劇)。著書に『メロドラマの逆襲』(1996)、『メロドラマからパフォーマンスへ』(2001)、『Crucible Bodies』 (2009)。『「J演劇」の場所』(2016)等。公益財団法人セゾン文化財団評議員、アーツカウンシル東京ボード委員、公益財団法人神奈川芸術文化財団理事、福岡アジア文化賞選考委員(芸術・文化賞)、ZUNI Icosahedron Artistic Advisory Committee委員(香港)。
■通訳
田村かのこ|Kanoko TAMURA
東京都生まれ。「アート・トランスレーター」として、通訳・翻訳・編集・広報などの分野で幅広く活動。2015年にアート専門の通訳・翻訳者の活動団体「Art Translators Collective」をメンバーと共に設立し、表現者に寄り添う翻訳・通訳の提供と新たな価値創造を試みる。東京藝術大学大学院美術研究科グローバルアートプラクティス専攻非常勤講師。NPO法人「芸術公社」所属。
■モデレーター
平井愛子|Aiko HIRAI(演技トレーナー/演劇プロデューサー)
文学座付属研究所を経て88年渡米。ニューヨーク大学演劇学科(New Yokk Univ. Tisch School of the Arts)卒業後、LaMaMa e.t.cをはじめとするオフ・ブロードウェイやリジョナル・シアターで俳優、演出家として活動する傍ら、日米交流を目的とした舞台芸術を企画制作するStage Media Inc.を設立。また大学卒業後もメソッド演技指導の第一人者、トニー・グレコ氏に継続的に師事。メソッド演技指導法を習得する。03年帰国後は、東京都足立区・シアター1010の劇場立ち上げからプロデューサーとして参加。07年4月より京都造形芸術大学・舞台芸術学科准教授(現教授)。