テーマ研究Ⅳ「現代の舞台芸術における照明技法ならびに照明美学の問題」 公開研究会『劇場・舞台の照明、「美」の技法』
当舞台芸術センターではテーマ研究のひとつとして現代日本を代表する舞台照明家、服部基氏を迎え、舞台照明技術およびデザインについての研究会を重ねてきました。その場での討議をもとに公開研究会/実験を開催します。普段はそれ単独であまり見ることがない照明の働きをじっくり観察しました。
_
_
光源|現代劇場に使用される光源を実際の舞台衣裳に照射して比較します。
機種|HMI・ACL・Par・ハロゲン・蛍光灯
衣裳|能装束(融他)
角度|舞台照明デザイン技術の基本的語彙として、照射角度を検証します。
角度|バック(後から)、サイド(両側から)、斜光(斜め前から)
角度|正面から(60度、55度、50度、45度、40度、等)
色彩|カラーフィルターの表色が衣裳の色調に与える影響を見てみます。
色彩|ポリカラー #16 #22 #31 #38 #45 #58 #64 #77 #78 #87 #88
色彩|色布 かつらぎ、サテン、他8色ずつ3セット、と黒布
衣裳|日本舞踊衣裳(藤娘)
_
反射|客席側からの射光が舞台空間に及ぼす状況を観察します。
反射|舞台 所作台、紗幕、ホリゾント幕、など
反射|ピンスポットライト、フットライト、など
出演者
渡邊守章(演出家/京都造形芸術大学舞台芸術研究センター所長・教授)
進行:岩村原太(京都造形芸術大学 舞台芸術学科 准教授/照明デザイナー)
ゲスト講師:服部 基(舞台照明家)
岡山県倉敷市生まれ。信州大学工学部電気工学科卒業。吉井澄雄、沢田祐二両氏に師事。一九八六年舞台照明会社「ライティングカンパニーあかり組」設立。こまつ座をはじめ、演劇、ミュージカル、オペラ、能の照明を手掛ける。八三年『グレイクリスマス』にて日本照明家協会優秀賞受賞。一九九三年渡邊守章演出の『ロレンザッチョ』『四重奏』で日本照明家協会賞大賞受賞。一九九四~九五年文化庁在外研修員として一年間ドイツにて研修。二〇〇八年『コンフィダント・絆』『コペンハーゲン』『キル』にて第四二回紀伊國屋演劇賞受賞。同年『コペンハーゲン』にて文部科学大臣賞・日本照明家協会賞大賞受賞。現在、(社)日本照明家協会常務理事。二〇一〇年秋、紫綬褒章授賞。