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テーマ研究Ⅰ「近代日本語における〈声〉と〈語り〉」 第4回 「近代日本における〈語り〉2 ― 鏡花vs芥川」

「語り」演目―『高野聖』泉鏡花・『偸盗』 芥川龍之介

ゲスト講師:
松浦寿輝(作家、詩人)

朗読:
後藤加代(俳優)

パネリスト:
木ノ下裕一(木ノ下歌舞伎主催)、渡邊守章(モデレーター)

松浦寿輝
1954年東京生まれ。作家、詩人。
1988年に詩集『冬の本』で高見順賞、95年に評論『エッフェル塔試論』で吉田秀和賞、96年『折口信夫論』で第9回三島由紀夫賞、2000年に小説『花腐し』で第123回芥川賞、『知の庭園』で第50回芸術選奨、05年『あやめ 鰈 ひかがみ』で第9回木山捷平文学賞、同年『半島』で第56回読売文学賞/小説賞、09年『吃水都市』で第17回萩原朔太郎賞受賞するなど縦横の活躍を続けている。
12年3月まで、東京大学大学院総合文化研究科教授を務めた。
最近の著作に『川の光』『川の光 外伝』(中央公論新社、2007、2012)。

後藤加代
演劇集団円における渡邊演出の実験的ラシーヌ悲劇で、その存在感と強度のある声と台詞によって、悲劇女優としての類稀な才能を認められる。ラシーヌ『バジャゼ』の后妃ロサーヌ、『アンドロマック』のアンドロマック。『女王ベレニス』のベレニス(芸術祭優秀賞)。『悲劇フェードル』では、有史以来初めて、パリにおいて日本人による日本語のラシーヌ悲劇として高く評価され、1999年には、パリでリニューアル・ヴァージョンに出演。パルコ能ジャンクション2『當麻』で観世榮夫と野村武司(現萬斎)と共演。泉鏡花『天守物語』の冨姫(後に「空中庭園」製作でパリ公演も)、シェークスピア『ハムレット』(野村武司主演)のガートルードなど。円を退団後は、『キャバレ』等のミュージカル、平幹二郎のシェークスピア連続上演に参加。2005年には、クローデル没後五十周年記念・渡邊演出「朗読オラトリオ『繻子の靴』」(全曲版)で、その健在振りをアピールした。

木ノ下裕一 
和歌山市生まれ。小学校3年生の時、上方落語を聞き衝撃を受けると同時にその日から独学で落語を始め、その後、古典芸能への関心を広げつつ現代の舞台芸術を学び、古典演目上演の演出や監修を自らが行う木ノ下歌舞伎を旗揚げ。
2010年度から3カ年継続プロジェクトとして「京都×横浜プロジェクト」を実施し2012年7月には『義経千本桜』の通し上演を成功させるなど、意欲的に活動を展開している。主な演出作品に『伊達娘恋緋鹿子』(2009/F/T09秋「演劇/大学09秋」)など。その他古典芸能に関する執筆、講座など多岐にわたって活動中。創造支援公募プログラム坂あがりスカラシップ(2011年度・2012年度)対象者。2013年度より急な坂スタジオサポートアーティスト。京都造形芸術大学大学院卒業。現在博士論文執筆中。研究テーマは「武智歌舞伎論~近代における歌舞伎新演出について」。