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共同利用・共同研究拠点2022年度リサーチ支援型プロジェクト公募研究Ⅲ 2022年度リサーチ支援型Ⅲ|
近代的な個の輪郭をほどく演技体――『ab さんご』を経由して、劇作論をしたためる――

黒田夏子の小説『abさんご』の特異な文体を演劇として上演すべく、三浦雨林、和田ながら、蜂巣ももの三人の演出家がそれぞれに取り組む。その試行錯誤に西尾佳織が立ち会って、創作現場で起こっていたことを観察・記述しながら劇作論を執筆する。
『abさんご』の文章は、固有名詞を一切使わず、主語も極力排し、人は「(動詞)する者」、モノは例えば「傘」を「天からふるものをしのぐどうぐ」と記述するなどの方法により、名詞ではなく動詞中心に文章が編まれている。人もモノも「(動詞)する者/モノ」と記述されることで、人とモノが同列に扱われ、主体を中心とするのではなく出来事や関係性の側から物語が記述されている。
このテキストは、一人の俳優が一人の登場人物の役を「自然」に演じることでは生まれない演技体を要請しているのではないか? 個人としての輪郭を持った主体(=登場人物)を起点にした物語ではなく、動詞の集積を物語として提示することはできるだろうか?

【研究メンバー】
西尾佳織(代表研究者、鳥公園主宰、劇作家、演出家)

三浦雨林(共同研究者、鳥公園アソシエイトアーティスト、隣屋)
佐山和泉(三浦チーム研究協力者、俳優、東京デスロック)
新田佑梨(三浦チーム研究協力者、俳優、青年団)
スティーブ・コルベイユ(三浦チームフィードバック会ゲスト、聖心女子大学准教授、翻訳家)

和田ながら(共同研究者、鳥公園アソシエイトアーティスト、したため)
金子仁司(和田チーム研究協力者、kondaba)
古川友紀(和田チーム研究協力者、ダンサー・散歩家)

蜂巣もも(共同研究者、鳥公園アソシエイトアーティスト、グループ・野原)
鈴木正也(蜂巣チーム研究協力者、俳優、libido:)
藤善麻夕帆(蜂巣チーム研究協力者、俳優)