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土方巽――言葉と身体をめぐって

京都芸術大学舞台芸術研究センターでは、2009年6月から10年3月にかけて、「土方巽研究会」(全3回)を公開で開催しました。本書は、そこでの活発な議論を踏まえ、参加者が新たに書き下ろした文章を中心に編集した書物です。
舞踏だけでなく、日本の現代芸術全体に強烈なインパクトをあたえた土方巽(1928-86)の業績を、没後25年目の今、〈表現の現在〉へと接続するための新たな視角と可能性を探ります。

 

 

目次

土方さんに触りにいく―序にかえて 山田せつ子

封印された演劇 宇野邦一

「髪型」の重さ 田中弘二

舞踏譜の舞踏―土方巽の舞踏の構造あるいは作舞の方法 森下隆

土方巽・暗黒舞踏の受容と変容―21世紀の舞踏の身体のリアリティに向けて 三上賀代

「肉体」に留まることの過酷さ―土方巽の〈踊ること〉をめぐって 森山直人

土方巽の可能性、あるいは群舞の可能性 三浦基

『病める舞姫』の構造 安藤礼二

踊る文体を読む―土方巽の技法と言葉 稲田奈緒美

土方巽の書法、あるいは「文」に抗う身体 八角聡仁

『病める舞姫』試論―そして絶望的な憧憬 國吉和子

土着性とジェンダー 渡邊守章

図版構成 「舞踏譜」スクラップブックより
      「病める舞姫」加筆稿より

巻末―研究会記録 文献案内 公演年譜