京都芸術大学 2023年度 公開連続講座 日本芸能史~日本芸能の中の海外性と国内性
世界の神々の体系は、大地母神中心から天空父神中心へと大きく推移した。その際に、エジプトや中国少数民族社会、そして日本のように多神信仰の段階に止まった信仰圏と、キリスト教やイスラム教世界に代表されるように、男性神中心の一神教に移行した信仰圏、仏教や道教が普及した一神教的多神信仰圏などが生まれた。その中で、日本人は大地母神への信仰をそのままに保存してきた稀有の民族である。
日本の固有芸能・国風芸能には、この大地母神の信仰がしっかりと息づいている。動植物までも含めた異質なものへの寛容、海外文化の受容、自分をつつむ大きな世界との調和が古典芸能にはゆきわたっている。神と人の同居する日本文化と人中心の海外文化の違いの理解が必要である。異文化接触は二つの文化が同質性よりも異質性を持つときにはるかに効果をあげる。伝統芸能を支える精神はグローバリズムが叫ばれる今日においてこそふりかえられなければならない。
企画・コーディネーター 田口章子 (京都芸術大学教授)
前期日程
1 | 4月17日 | 総論 「世界の暦と正月」 | 諏訪春雄 |
2 | 4月24日 | 琵琶 | 奥村旭翠(聞き手 田口章子) |
3 | 5月1日 | 短歌 | 馬場あき子 |
4 | 5月8日 | 鼓 | 大倉源次郎 |
5 | 5月15日 | アイヌ芸能 | 秋辺日出男 |
6 | 5月22日 | 落語 | 桂吉坊 |
7 | 5月29日 | 現代美術 | 片岡真実 |
8 | 6月5日 | 上方舞 | 山村友五郎(聞き手 田口章子) |
9 | 6月12日 | 「海外の視点で見る天孫降臨神話」 | 諏訪春雄 |
10 | 6月19日 | 料理 | 森川裕之 |
11 | 6月26日 | 能 | 天野文雄 ※予定より変更しました |
12 | 7月3日 | 宝塚歌劇 | 榛名由梨(聞き手 玉岡かおる) |
13 | 7月10日 | 歌舞伎 | 田口章子 |
14 | 7月17日 | 神楽 | 小林泰三 |
後期日程
1 9月25日 総論「世界の仮面文化」 諏訪春雄
2 10月2日 華道 池坊専好
3 10月16日 常磐津 常磐津都㐂蔵・都史
4 10月23日 能 井上裕久 ※予定より変更しました
5 10月30日 ダンス 山田せつ子
6 11月6日 沖縄芝居 金城真次
7 11月13日 「もう一つのシルクロード」 諏訪春雄
8 11月20日 京舞 井上八千代(聞き手 田口章子)
9 11月27日 時代劇 森脇清隆
10 12月4日 義太夫 鶴澤津賀寿・竹本京之助
11 12月11日 木ノ下歌舞伎 木ノ下裕一
12 12月18日 狂言 茂山忠三郎
13 12月25日 壬生大念佛狂言 壬生大念佛講
14 1月15日 雅楽 東儀秀樹
受講に関してのお願い
一旦納入いただいた受講料は返還いたしかねますので、予めご了承ください。
当講座は日時を指定した特別講義によるオムニバス授業につき、台風や交通機関の不通等によりやむを得ず休講になった場合、補講はできない場合があります。またその際の休講分の受講料は返還いたしかねますので、予めご了承ください。
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が開講当日の正午の時点で、発令中、または正午以降に発令された場合、または
◎京都市左京区に震度4以上の地震が、当日発生した場合、
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公開連続講座 日本芸能史