京都の暑い夏2024 第28回 京都国際ダンスワークショップフェスティバル2024 Unconscious Consciousness
国際的に活躍するダンサーや振付家を講師に招き、幅広いレベルを対象に、コンテンポラリーダンスにおける重要な技術を体験するワークショップシリーズ。京都芸術大学内で行われる2つのクラス(B ボディワーク・C クリエーション&リサーチ)が、楽心荘を会場に開催されます。
ディレクターメッセージ
_
第28回目の開催となるこのフェスティバルは、日本全国、そして世界からダンスを学びたい人々にとってのプラットフォームになることを目指して実施しています。今回は新たな講師陣や企画と共に、京都芸術センター、京都芸術大学、京都市中央青少年活動センターを舞台に開催します。
今年度のテーマは「Unconscious Consciousness」
皮膚、筋肉、骨格や内臓という身体を構成しているもの、光、匂い、呼吸、フロー、時間、空間、情報、記憶、イメージ、物理的法則、社会、世界など様々な要素が私達の身体を無意識/意識的に取り巻いています。しかしデジタル技術の発展、コロナ禍などを経てこれらの要素に対して私たちはあまりにも無意識になっているように感じます。
2024年惜しくもこの世を後にした、コンタクト・インプロヴィゼーションの創始者の1人、スティーブ・パクストン氏は「無意識の意識」へも関心を寄せていました。農作業をしながら背骨を意識することなど、可視化できない部分へ光を当て続けていたといいます。
当フェスティバルでは、そういった可視化できない部分への意識を深め、自身の新しいダンスへのアプローチを発見することはもとより、国内外からの参加者とともにダンスや社会をめぐる対話を通じ、身体を織り成している様々なものに気づき更新していく<学びの場>となることを目指します。
今年も皆様にとって新たな出会いと発見ができる機会になるよう願っています。
_
プログラム・ディレクター 野村香子
_
フェスティバル詳細・お申込みウェブサイト
https://hotsummer2024.studio.site/
■講師
アラン・シナンジャ(兵庫)、上田麻希(石垣島)、エマニュエル・ユイン(フランス)、小倉笑(京都)、カティア・ムストネン(フィンランド)、清山陽平(京都)、佐伯有香(京都)、坂本公成 + 森裕子(京都)、ジェームス・フィンモア(イギリス)、シュカ・ホルン(ドイツ)、寺田みさこ(京都)、野村香子(京都)、東野祥子(京都)、布施琳太郎(東京)、三宅香帆(京都)
■クラス
A ダンスメソッド
B ボディワーク
C クリエイション&リサーチ
D インターディシプリナリー・プログラム
E つくるための書き方講座
F ビギナークラス
G こどもと大人
日程|2024年8月12日(月・祝)~8月20日(火)
会場|京都芸術センター、京都芸術大学、京都市中央青少年活動センター
主催|Dance&Environment、京都芸術センター(公益財団法人京都市芸術文化協会)
共催|京都芸術大学 舞台芸術研究センター(京都芸術劇場)
協賛|AIR SPENCER
協力|京都市中央青少年活動センター、一般社団法人Ko&Edge
助成|スカンジナビア・ニッポン ササカワ財団、 グレイトブリテン・ササカワ財団
認定|公益社団法人 企業メセナ協議会
問合|Dance & Environment
〒603-8312 京都府京都市北区紫野中柏野町22番20 紫野スタジオ内
tel 070-6500-7242 hotsummerinkyoto@gmail.com
_
【B-2】
佐伯有香 Yuka Saeki
ヨガ
安定と弛緩、その両方を同時に体感できる状態を目指します。そのために、全身の筋力を満遍なく使い、基本的な関節と筋肉のアライメントを整え、そして呼吸の波に乗ること、これらを基軸に据えながらポーズを進めていきます。
またダンサーは踊りに集中する中で、身体を扱う匙加減を瞬間的に行ないます。その領域では、絶えず変化する心身への気づき、これまで積み重ねた経験と新しい刺激などが複雑に密接に関係しているでしょう。それらを冷静に観察する
訓練としても有効なクラスです。当たり前に側にある自身の身体の内側を、見知った土地を改めて探訪しなおすような機会となります。ヨガの醍醐味の一つである自律神経が整う流れでクラスを行い、また簡単な軽減ポーズも準備しますので、普段ダンスを踊らない方、ヨガ未経験者の方にも受けていただけます。
日程|8月18日(日)~20日(火)
時間|10:30~12:00 全3回
会場|京都芸術大学 楽心荘
料金|1回 3,300円 通し 9,000円
定員|15名(通し優先)
※ヨガマットをご持参下さい(貸出はありません)
佐伯有香 Yuka Saeki (京都|Kyoto)
幼少よりバレエを踊る。高校生の頃に欧陽菲菲似のバレエ講師と出会い青天の霹靂。コンタクト・インプロヴィゼーションを学ぶため京都に足を運ぶ。2000年よりMonochrome Circusの活動へ参加。『Refined Colors』(2004)、『怪物』(2006)など代表作を踊る。ダンスユニット・双子の未亡人も同時期に展開。数年ダンスのブランク期を過ごす中、身体の立ち上げとして恩恵を受けたヨガを掘り下げる時間を持つ。現在はアヌサラヨガの習得へと焦点を絞り、余生をタヒチアンダンスに捧げるか思案中。おそらく人生の全般を通して踊りと関係を持つ。ヨギーインスティチュート認定YIC200
【C-3】
エマニュエル・ユインEmmanuelle Huynh
FLUIDITY WITH NATURE
― 自然と踊るためのリサーチ
樹木は、私たちが見たことのない、あるいはこれからも見ることのない出来事の太古の証人であると言えます。水(水、蒸気、雲、雨)は、絶え間なく新しくなっても、いつも同じ「物質」であり続けます。風はビッグバンがもたらした力だと想像でき、私たちの日常生活の主人公でもあります。誰もが自然との親密な関係を築きながら、それを言葉や動きに変換して表現することができるでしょう。このクラスでは、身体の流動性=自然が自分自身の中で続いていること、あるいは木や川や風の贈り物や自然との強い絆を示すような動きやテキストを創作していきます。京都芸術大学楽心荘を舞台に、木々が目撃した歴史的な出来事を現在に紡いでいきます。
日程|8月17日(土)~20日(火)
時間|13:30~16:30 全4回
会場|京都芸術大学 楽心荘
料金|通し 15,000円 ※通しのみ
定員|15名
※最終日にショーイングあり
エマニュエル・ユイン Emmanuelle Huynh
ダンサー、振付家、教師。ダンスと文学、音楽、光、建築との関係を探求している。代表作は『Mua』(1995)、『A Vida Enorme』(2002)、『Cribles』(2009)、『TOZAI!』(2014)、『Nuee』(2021)、『Embrasser un arbre, embrasser le temps』(2022)のほか、米国や南米などの都市でビジュアル・アーティストとのコラボレーションを行う。ダンスに対し幅広い視点を持ち、社会が持ちうる価値観を変えるような知識や感情を生み出すことに軸を置いて活動している。2004年~2012年アンジェ国立振付センター芸術監督、2018年~2021年フランス国営劇場ニームのアソシエイト・アーティストを務める。2016年9月よりボザール(パリ国立高等美術学校)のスタジオ・ダンス・パフォーマンスのチーフに就任。フェスには11年ぶりの再登場 !