生きているパゾリーニ
パゾリーニは生きている。
巨匠と呼ばれるタイクーンの時期を人生で持たなかった者の生命は長い。
長年そう思いつつ、遺された戯曲作品の上演の機会を狙っていたところ、「生きている」と信じ込んでいる奇特な人が、私だけではないと知った。
「パゾリーニ・ルネサンス」*に関わっている方々だ。この本を手にし、読んだ時、ああ自分はひとりではないのだ、と感慨に浸った。
今回は、この本の仕掛け人である大野裕之氏と、『豚小屋』から『騙り。』へとパゾリーニの台詞を体現、発語する天才俳優手塚とおる氏とで、縦横無尽にパゾリーニを語ります。映画、演劇、小説、詩、社会評論とパゾリーニが関わった事象は広大だから、自然、話もどこに飛ぶかわからない。
チャップリンが、ゴダールが、グラムシが、フェリーニが、ロンギが、モランディが、登場してしまうかも知れません。乞うご期待!(川村 毅)
*2001年/とっても便利出版部発行。著者に大島渚、四方田犬彦、浅田彰など。鬼才パゾリーニを通してイタリア映画・文学を知る一冊。1800円(税別)。(トーク当日、会場での販売あります。)
トーク出演
川村毅(演出家・京都造形芸術大学舞台芸術学科教授)
手塚とおる(俳優)
大野裕之(劇団とっても便利・「パゾリーニ・ルネサンス」編者)