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共同利用・共同研究拠点 連携プロジェクト 疫病・戦争・災害の時代にーサミュエル・ベケット映画祭2024

『ゴドーを待ちながら』で知られるサミュエル・ベケット(1906-1989)は、誕生と死の間に宙吊りにされた人間を描き続けました。戦争、パンデミック、環境破壊が相次ぐディストピア的な時代に、早稲田大学演劇博物館と京都芸術大学舞台芸術研究センターが協力し、代表作の映像を東京と京都で上映します。上映とトークに加え、京都ではベケットに想を得た現代アーティストの作品集も展示。文学者や演劇人ばかりでなく、ゴダール、ボルタンスキー、イーノ、フォーサイス、デュマス、ケントリッジ、ハーストらに影響を与えた巨匠の世界をお楽しみください。

※入場無料・要予約
※上演プログラムは日本語字幕付き

主催:
京都芸術大学舞台芸術研究センター 舞台芸術作品の創造・受容のための領域横断的・実践的研究拠点
早稲田大学演劇博物館 演劇映像学連携研究拠点

お問い合わせ(京都):
京都芸術大学舞台芸術研究センター 舞台芸術作品の創造・受容のための領域横断的・実践的研究拠点
TEL: 075-791-9144 E-mail:(事務局) kyoten@kua.kyoto-art.ac.jp

*上映作品の日本語タイトルと字幕は、すべて白水社版『新訳ベケット戯曲全集』の訳文を使用させていただきました。

京都会場


2日間の上映プログラムでは、『ゴドーを待ちながら』『ハッピーデイズ』『エンドゲーム』『クラップの最後の録音』をはじめとするベケット作品にちなむ映像作品(日本語字幕付き)を特集上映します。各上映の前には、小崎哲哉教授(京都芸術大学大学院)による解説を行います。上映の間のトークゲストには俳優・ダンサーの森山未來さんと映画批評家の北小路隆志さんをお迎えします。
上映プログラム先駆けて開催するオープニングイベントでは、過去にベケット作品をモチーフに創作に取り組んだ美術作家・舞台演出家のやなぎみわさんをゲストにお迎えします。作り手の視点を交えてベケット作品および、現代におけるその意義について語り合います。
会期中にはホワイエで関連企画を開催します。ベケットに影響を受けた現代アーティストの作品集およそ50冊を展示。手袋を着けた上で自由にご覧いただけます。この機会にベケットの世界の広がりをお楽しみください。

会場:京都芸術劇場 春秋座
申込フォーム:https://pro.form-mailer.jp/fms/a03303e7318816

●11月23日(土・祝)14:00-17:00 (開場13:30)
「サミュエル・ベケット映画祭2024」オープニングイベント
参照作品:「ゼロ・アワー ―東京ローズ最後のテープ―」(作・演出・美術:やなぎみわ)*全編の上映はございません。
トークゲスト:やなぎみわ(美術作家・舞台演出家)

●12月7日(土)13:00-18:30(12:30開場)
上映プログラム①
トークゲスト:森山未來(俳優・ダンサー)
※各作品の上映前に5分程度の解説あり

13:00-「ゴドーを待ちながら」(120分)
監督:マイケル・リンゼイ=ホッグ 出演:バリー・マクガヴァン ジョニー・マーフィー
製作:2000年
1953年にパリのバビロン座で初演されて以来世界中の演劇に多大な影響を与えてきた『ゴドー』を、バリー・マクガヴァン、トム・マーフィーというベケット劇でお馴染みのアイルランド人俳優により映画化。

  [休憩15分]

15:35- ゲストトーク(60分)
トークゲスト:森山未來(俳優・ダンサー)、聞き手:小崎哲哉

  [休憩15分]

16:50-「ねえ、ジョー」(16 分)
監督:ミシェル・ミトラニ 出演:ジャン=ルイ・バロー マドレーヌ・ルノー
製作:1986年
自分のせいで死んだ女性の声が頭の中に響いてやがて追い詰められていくジョー。フランスの伝説的名優ジャン・ルイ・バローを妻で同じく名優のマドレーヌ・ルノーの声が追い詰める。

17:10-「クラップの最後の録音」(58分)
監督:アトム・エゴヤン 出演:ジョン・ハート
製作:2000年
当時はまだ一般家庭には普及していなかったテープレコーダーをいち早く取り入れた舞台劇をカンヌ国際映画祭グランプリ受賞作『スウィート ヒアアフター』で知られるアトム・エゴヤン監督が映画化。

●12月8日(日)13:00-18:30 (12:30開場)
上映プログラム②
トークゲスト:北小路隆志(映画批評家)
※各作品の上映前に5分程度の解説あり

13:00-「エンドゲーム」(84分)
監督:コナー・マクファーソン 出演:マイケル・ガンボン デヴィッド・シューリス
製作:2000年
『ゴドー』に続くベケットの舞台劇をアイルランドの劇作家・脚本家・映画監督のコナー・マクファーソンが監督して映画化。主演は『ハリー・ポッター』のダンブルドア校長でも知られる名優マイケル・ガンボン。

14:45-「フィルム」(24 分)
監督:アラン・シュナイダー 出演:バスター・キートン
製作:1965年
ベケットが脚本を執筆した唯一の映画作品。NYでの撮影にはベケットも同行し、ベケットとシュナイダーの共同監督と言っても過言ではないモノクロの無声映画(1か所だけ声がはいっていたと言われる)。キートン最晩年の主演作。

  [休憩15分]

15:30- ゲストトーク(60分)
トークゲスト:北小路隆志(映画批評家)、聞き手:小崎哲哉

  [休憩15分]

16:45-「ハッピーデイズ」(90分)
監督:ジャン=ポール・ルー 出演:マドレーヌ・ルノー レジス・ウタン
製作:1971年
あのフランスの名優マドレーヌ・ルノーが1幕では胸まで、2幕では首まで小山に埋もれていく演技は圧巻。『ゴドー』の世界初演を演出したロジェ・ブランが演出した舞台を、ジャン=ポール・ルー監督が映像化。

 

*上映開始時刻を一部修正いたしました(12/5)


東京会場

●12月17日(火)18:30~20:40(18:00開場)
「ベケットの実験的短篇映像 上映&トークの夕べ」
ゲスト:カゲヤマ気象台(劇作家、演出家、演劇プロジェクトsons wo: 代表)、七里圭(映画監督、脚本家)
聞き手:岡室美奈子、小崎哲哉

イベントの詳細はこちら


登壇者プロフィール

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ゲスト
やなぎみわ(美術作家、舞台演出家)
神戸市生まれ。1993年エレベーターガールをテーマにした作品で初個展、以後国内外で個展多数。
2009年第53回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の日本代表。
2011年より演劇活動を開始し、2013年「ゼロ・アワー 東京ローズ最後のテープ」を
KAAT・あいちトリエンナーレで公演、北米ツアーも果たす。
2015年に春秋座にて凱旋公演。台湾製の特殊車両による野外巡礼劇「日輪の翼」を開始。
2019年個展「神話機械」でハイナー・ミュラー脚本で公演。
2021年、台湾にて歌仔戯「アフロディーテ〜阿婆蘭〜」を作演出。

森山未来(俳優・ダンサー)
5歳から様々なジャンルのダンスを学び、15歳で本格的に舞台デビュー。「関係値から立ち上がる身体的表現」を求めて、領域横断的に国内外で活動を展開。2022年より神戸市にてArtist in Residence KOBE(AiRK)を設立し、運営に携わる。24年12月、兵庫県立美術館企画展「1995 ⇄ 2025 30年目のわたしたち」への参加(梅田哲也との共同制作)が決定している。ポスト舞踏派。

北小路隆志(映画批評家)
早稲田大学政治経済学部経済学科卒業、早稲田大学大学院経済研究科修士課程修了。新聞、雑誌、劇場用パンフレットなどで映画評や書評を中心に執筆。主な著書に「王家衛的恋愛」、最近の共著に『エドワード・ヤン 再見/再考』、『アピチャッポン・ウィーラセタクン 光と記憶のアーティスト』、『青山真治クロニクルズ』などがある。

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聞き手

岡室美奈子(早稲田大学文学学術院教授)
早稲田大学文学学術院教授、文学博士。早稲田大学演劇博物館前館長。専門は現代演劇論、テレビドラマ論、サミュエル・ベケット論。日本演劇学会理事、デジタルアーカイブ学会理事、放送番組センター理事、文化審議会委員などを務める。近著に『テレビドラマは時代を映す』(ハヤカワ新書)、共編著書に『六〇年代演劇再考』、『サミュエル・ベケット! ――新しい批評』など、訳書に『新訳ベケット戯曲全集1ゴドーを待ちながら/エンドゲーム』などがある。

©TAKAAKI TSUCHIYA

小崎哲哉(京都芸術大学大学院芸術研究科教授)
ICA京都のウェブマガジン『REALKYOTO FORUM』編集長。2003年に和英バイリンガルの現代アート雑誌『ART iT』を創刊し、あいちトリエンナーレ2013ではパフォーミングアーツ統括プロデューサーを務めた。編著書に写真集『百年の愚行』、著書に『現代アートとは何か』『現代アートを殺さないために』などがある。京都芸術大学大学院教授。