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シンポジウム 劇場で、偶然みつける
――創造と研究の手がかり、「ラボラトリー機能」の可能性について

 京都芸術大学舞台芸術研究センターでは、これまで京都芸術劇場を活用して、さまざまな研究事業を行ってきました。本シンポジウムの前半では、アーティストと研究者・技術者が共同研究チームを組み、創造のプロセスを構築してきた最近のプロジェクトについて、ダイジェスト映像・関連映像の上映を交えて振り返ります。
 また後半では、高嶺格氏(アーティスト/多摩美術大学彫刻学科教授)、山本麻友美氏(京都芸術センター副館長/京都市文化政策コーディネーター)、吉岡洋氏(京都芸術大学文明哲学研究所教授/美学芸術学)、森山直人氏(多摩美術大学美術学部教授/演劇批評)を登壇者に迎え、公開の共同討議を行います。 
 本拠点の「劇場実験」という取り組みでは、アーティストや研究者に劇場を提供し、舞台芸術の創造と研究のありかたをさまざまに問い直してきました。それは性急に作品化や研究成果の発表を目指すものではなく、じっくりと「偶然の力」を受け入れつつ進行する実践的なプロセスを特徴としています。そこでこのシンポジウムでは、あらためて「劇場で、偶然みつける」というテーマで議論を行います。
 劇場等文化施設における創造支援や、本研究拠点が掲げてきた「ラボラトリー機能」というコンセプトについて、理解を深めていただけるシンポジウムとなりますので、ぜひ奮ってご参加ください。

スケジュール|
2024年11月4日(月・祝)
14:00 開式 挨拶等
14:10 研究活動の報告(京都芸術大学舞台芸術研究センター 新里直之)
14:30 ダイジェスト映像・関連映像の上映(劇場実験型研究プロジェクト)

1)田村友一郎《テイストレス》(2021年6月、京都芸術劇場春秋座)
2019年度劇場実験型研究プロジェクト「The Waiting Grounds―舞台芸術と劇場の現在を巡る領域横断的試み」(研究代表者:中山佐代)に基づく劇場作品。

田村友一郎《テイストレス》(2021年)

2)檜垣智也(作曲家)×吉増剛造(詩人)×七里圭(映画監督)
サウンドオペラ電子音響詩劇「石巻(イシノマキ)ハ、ハジメテノ、紙(カミ)ノ声(コエ)、……」試演(2023年2月、京都芸術劇場春秋座)
2020/2022年度劇場実験型プロジェクト「多層化手法による音楽詩劇の創作と上演~アクースモニウムを中心とした音楽と映像、言葉の融合~」(研究代表者:檜垣智也)の劇場実験記録。
*ダイジェスト映像監督・構成:七里圭

撮影:井上嘉和

3)岡田裕子《Celebrate for ME: okuru》(2024年)
2024年度劇場実験型プロジェクト「現代アート的思考でメディアアートと演劇をマッチングする観客主体型の劇空間の創作」(研究代表者:岡田裕子)の関連作品。

《Celebrate for ME: okuru》©️OKADA Hiroko

15:30 公開シンポジウム
劇場で、
偶然みつける
――創造と研究の手がかり、「ラボラトリー機能」の可能性について
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登壇者|
高嶺格(アーティスト/多摩美術大学彫刻学科教授)
山本麻友美(京都芸術センター副館長/京都市文化政策コーディネーター)
吉岡洋(京都芸術大学文明哲学研究所教授/美学芸術学)

司会|
森山直人(多摩美術大学美術学部教授/演劇批評)

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17:00 閉会

お申込み|
参加料:無料(要事前申込) ※どなたでもご参加いただけます。

お申込み方法|
下記URLよりお申し込みください。
https://pro.form-mailer.jp/fms/f91a72f3320045

主催・お問い合わせ|
京都芸術大学舞台芸術研究センター 舞台芸術作品の創造・受容のための領域横断的・実践的研究拠点
TEL: 075-791-9144 E-mail:(事務局) kyoten@kua.kyoto-art.ac.jp


高嶺 格 Tadasu Takamine
アーティスト。多摩美術大学彫刻学科教授。1968年生まれ。90年代初頭より、パフォーマンスやインスタレーション、ビデオから工芸的手法まで多彩なアプローチの作品を発表。美術作品の傍ら、舞台作品、または舞台のコラボレーションも数多く手掛ける。90年代にダムタイプのパフォーマンスに参加。「性」の問題などにも触れながら、異なる背景や価値観を持つ他者への接触と困惑、更に相互理解を志向するプロセスを真摯に表現する。

山本 麻友美 Mayumi Yamamoto
京都芸術センター副館長、京都市文化政策コーディネーター、KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭実行委員長。2000年の開館当初から、京都芸術センターにて国際共同プロジェクトや展覧会等、若手芸術家の育成、支援を目的とした多様な事業に携わる。京都芸術センターチーフプログラムディレクター(2016-21)、京都市文化芸術総合相談窓口(KACCO)ディレクター(2020-21)等を経て現職。2019年から研究会「新しい文化政策プロジェクト」プロジェクトメンバー。

吉岡 洋 Hiroshi Yoshioka
1956年京都生まれ。専門は美学芸術学。京都芸術大学文明哲学研究所教授。京都大学名誉教授。京都大学文学部哲学科(美学専攻)、同大学院修了。甲南大学、情報科学芸術大学院大学(IAMAS)、京都大学大学院文学研究科教授、京都大学こころの未来研究センター教授を経て、2022年4月より現職。著書に『情報と生命―脳・コンピューター・宇宙』(新曜社、1993)、『〈思想〉の現在形―複雑系・電脳空間・アフォーダンス』(講談社、1997)など。

森山 直人 Naoto Moriyama
多摩美術大学教授、演劇批評家。京都芸術大学舞台芸術研究センター 舞台芸術作品の創造・受容のための領域横断的・実践的研究拠点運営委員。2001-2022年3月まで、京都芸術大学舞台芸術研究センター主任研究員、機関誌『舞台芸術』編集委員。2012-2020年まで、KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭実行委員長。現在、京都芸術センター運営委員(2012-)、及び独立行政法人日本芸術文化振興会・演劇分野プログラムディレクター(2024-)。著書に『舞台芸術の魅力』(共著、放送大学教育振興会)など。