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第1回 お互いを紹介―市川笑三郎さん編

インタビュー

2010年5月8日(土)春秋座にて歌舞伎舞踊公演が行われます。それに先立ち「京都芸術劇場ニュースレター」ででは出演の市川笑三郎さん、段治郎さん、弘太郎さんに公演の見どころや歌舞伎舞踊に対する思いについて様々なお話をうかがいました。京都芸術劇場ニュースレターで掲載しきれなかった3人の楽しいお話を5回にわたり連載します。

 

― 今日はありがとうございます。まずは自己紹介の代わりに、お互いをご紹介いただけますでしょうか。まずは笑三郎さんについて。歌舞伎のことでも結構ですし、普段の事でも結構ですし。

段治郎 そうですね。まだ、僕たちのことをご存じない方もいらっしゃると思いますので、その方のためにどうですか? 弘太郎さん(笑)。

弘太郎 僕からですか~?(笑)
笑三郎さんは歌舞伎だけでなく、本当に色んなことを知っていらっしゃる先輩ですね。
女形のことに関してもそうですし、立役の事はもちろん、ずっとうちの師匠・三代目猿之助の側にいて、師匠がおっしゃったこととか、なさったことを、もう何でも覚えていらっしゃるので、困ったら笑三郎さんに聞きに行く感じですね。

段治郎 そうね~。

― 困った時は笑三郎さん?

弘太郎 コンピューターですね。

― コンピューター?

弘太郎 (笑)全てインプットされています。

 

左:市川弘太郎さん 右:市川段治郎さん

 

段次郎 一門に弟子入りしたのは笑三郎さんの方が僕より1、2年ぐらい先輩なんですが、同世代としてずーっとやらせていただいていています。
でも年は笑三郎さんの方が2つ下なんです。ですが最初お会いした時、なんでこんなに若いのに、こんな艶っぽい演技ができるんだろうなーって思ってびっくりしちゃったんですよ。とにかくそれが第一印象。本当にこの世の人とは思えないぐらいで「宇宙人なのかなこの人は」って(笑)。
もう演技も艶っぽいし、とても10代でこの演技ができるなんてすごいと衝撃を受けたという思いがあります。

― その印象を受けた時、笑三郎さんは、まだ10代…。

段治郎 17、8でしたよね。僕が19で入ったので、びっくりしましたね。

笑三郎 弘ちゃん、こういう事言わなくちゃ(笑)。

 

市川笑三郎さん

 

段治郎 それにね、今、弘ちゃんが言ってくれましたけれど、本当に全ての芸に対して隙がないというか。僕もすごく頼りにさせていただいていますし、我々の中においても、いなくてはならない存在ですね。

― では、ここで笑三郎さんに、お口のチャックを開けていただいて。今のコメントに対してはどう思われますか?

笑三郎 何か、入門してから無我夢中で来ていますので。とにかくうちの師匠の元で私生活も芸の事も一所懸命やってきただけなのですけれども、そういう風に言っていただいて嬉しい限りでございます。

― 笑三郎さんは女形を演じるに際して、実際の女性とか
女優さんとか、参考にされている方はおられるんですか?

笑三郎 誰っていうことはないんですが、参考にすることもあります。
それと元々男の我々が女を演じるわけですから、どこまで行っても本物の女には近付ききれない。ですから男性から見た女性、理想像をこう描きながら役を作るようにしています。「こんな恋人がいたらいいな」とか、「こんなお母さんがいたらいいな」とか。そういうのを常に思い浮かべながらやっています。

 

第2回 お互いを紹介―段次郎さん編へつづく