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追悼 三代目市川猿之助(二代目 市川猿翁)

歌舞伎俳優の二代目市川猿翁 <いちかわ えんおう、本名:喜熨斗 政彦=きのし まさひこ> さんが、9月13日(水)午前6時55分、ご逝去されました。

本学では1993年に芸術学部教授就任以降教鞭をとっていただき、2000年には副学長・京都芸術劇場春秋座芸術監督に就任(2013年退任)、2001年に公演された京都芸術劇場「春秋座」柿落し『春秋三番叟』『日本振袖始』(『春秋三番叟』構成/『日本振袖始』演出・出演)など本学の建学理念である藝術立国を目指し教育・研究・劇場など多方面においてご尽力いただきました。

ここに謹んでご冥福をお祈りし、ゆかりのある方々の追悼文を掲載いたします。

(舞台芸術研究センター所長・安藤善隆)

 
 
 

目次
教育者猿之助-「文化芸術は人を作る」   田口章子

追悼文                  石川耕士
希望と真実                横内謙介
忘れられぬ猿翁丈の演出術         橘市郎
観客としての半世紀               犬丸治

 
 
 

三代目市川猿之助 (二代目市川猿翁)

1939年(昭和14)生まれ。つねに「時代とともに生きる歌舞伎」をめざし、伝統の継承と創造に全身全霊をかけて走り続けている。「猿翁十種」をはじめとする家の芸の継承はもとより、『義経千本桜』『加賀見山再岩藤』などの古典歌舞伎の再創造、『菊宴月白浪』『競伊勢物語』などの古劇の復活、さらには『ヤマトタケル』や『新・三国志』シリーズなどのスーパー歌舞伎の創造まで、パワフルな活動はみごとな芸術的完成を見せる。現代歌舞伎に多彩で豊穣な成果をもたらしてきた演劇活動の中から「三代猿之助四十八撰」を制定した。歌舞伎にかける熱い思いと革新的な発想は、三代目市川猿之助が育てた弟子たちにも確実に受け継がれている。平成24年新橋演舞場において、祖父が名乗った猿翁の名を二代目として襲名した。
京都芸術大学では、平成5年に芸術学部教授、平成12年〜17年副学長に就任。集中講義では学生に歌舞伎の実技実演指導も行なった。同大の春秋座には徳山詳直前理事長とともに劇場の構想・設計から関わる。初代芸術監督として、杮落し公演の『日本振袖始』はじめ、数々の舞台を企画し出演した。